でも、逆に言うとこれは、ユニクロの製品を作っている工場から、
平気で横流しが行われているという事実を示しています。


最近のベトナムでは、経済発展とともに拝金主義がはびこり、
カネのためには何でもする、という風潮が蔓延しつつあります。
つまり、これも誰かがカネ欲しさに横流ししたのでしょう。


しかし、こんな仁義なき国で商品の生産をしていくなんて…。




 …大丈夫か?ユニクロ。


つい、そう言いたくなってしまいました。(^〜^;)ムゥ
 理由は、内側にありました。
これらのチノパンツはベトナム製だったのです。

 ユニクロ製品といえば、全部が中国製みたいに思われていますが、
実はチノパンツの多くがベトナム製です。(ほかにタイ製もありますが)

 つまり、我々がサイゴンの街角で見つけたユニクロは
ベトナムで作られた本物のユニクロ製品だったということです。


 でも、主人は言います。
「これはちゃんと卸から買った。ニセモノじゃない」と。

ではなぜ、ベトナムなんかにユニクロが…?
 そう疑いの目を向けながら考えていると、
主人が「もっとある」と言って店の奥に招き入れ
ゴソゴソと棚を探しはじめます。

 するとさらに3本のチノパンツが。
色もサイズもバラバラ。

 言い値が一本10ドル。
日本のユニクロでは2980円。セールで安くなっても
1980円ですから、確かに安い。

 試しに一本買ってみようかな、という
気になってしまいます。ニセモノでもいいから。


 そこには見慣れたあのマークが。
そう、ユニクロのチノパンツが一本さがっていたのです。

 「ユニクロ、ユニクロ」という店の主人の言葉は、
ユニクロ置いてるよ、という意味でした。

 しかし、ユニクロの商品は普通、ユニクロの店舗にしか
ないはず。なぜこんなベトナムの片隅に?


 ニセモノ天国のベトナムのことですから、
さっそくニセモノが登場したのでしょうか?


 しかし、先日ロンドンに初の海外進出を果たした
ユニクロです。サイゴンに店があろうはずもないし、
さらに冷静に考えればベトナムでのユニクロの
知名度なんてゼロ。
 見本すら入手できないモノのニセモノなど
作れないし、作っても意味がないのです。

 ではいったい何のために…。
誇らしげに見せる主人
さらに店の奥から…。
本物?
店頭にユニクロが。
 それはサイゴン中心部を歩いていたときのことでした。

通り沿いにある洋服店の主人が声をかけてきます。
「ユニクロ、ユニクロ」と。

 2年前、ベトナムを歩いていると、よく「味の素、味の素」と
子どもたちから声をかけられました。
 当時、味の素がベトナムに進出したばかりで、
さかんにテレビのコマーシャルを打っていました。
子どもたちにとって、日本のブランドといえば
味の素だったのです。

 それが去年は「ナカタ」に変わっていました。
ベトナムのひとはサッカーが大好きです。
とくにヨーロッパのプロリーグはたびたび放送され、
街角の電気屋の前で人々はかじりつくように見ています。

 そうしたなかで、セリエAで活躍する中田英寿選手が
日本人の代表となったことはごく自然なことでした。
また、同じアジア人として少なからぬシンパシィを感じて
いてくれたのだとも思います。

 で、「ユニクロ、ユニクロ」の声です。
ついにユニクロの名はベトナムにまで届くようになったか---。
そう思って声のしたほうを見た瞬間、一本のズボンが
目に飛び込んできました。


まさか、ベトナムで「ユニクロ」に会おうとは、思ってもみませんでした。

レタイントン通りの洋服街