パンといえば、
ベトナムは戦前、フランスの植民地だったために
いまだにフランスパンが残っていて、街角の屋台で売られています。




なぜか女性向けの旅行雑誌ではよく、ベトナム最大の都市・ホーチミンを
“プチ・パリ”などと紹介するものが多く、市内にわずかに残る古い教会などと
セットでこのフランスパンを紹介しては「まるでここはフランス?と思ってしまうほど」などと
歯の浮くような文章で、何も知らない若い女性に誘いかけています。

ところがベトナムは実際にはドロドロのアジアまっただなか。

フランスパンも、「ホットトック」(ドが濁らない)という名で屋台で売られていますが、
その具がけっこうすごいのです。





脂身たっぷりのチャーシューを頂点に、ケーシング入りの魚肉ソーセージのようなもの、
カメムシのような匂いのする香菜など、客の注文に応じて具を入れてくれるのですが、
できあがった代物は、とてもとてもフランスの香りなど感じさせてくれるものでは
ありません。





しかし、フランスパンという植民地時代のいいところだけ残して
自由自在にベトナム色に染めていく、というのはある意味
「和魂洋才」ならぬ「ベト魂仏才」とでも言うべき長所なのかもしれませんね。