渋谷とっておき!!ホーム 渋谷区渋谷1-25-10
のんべい横丁内
03-3407-3820

18:00・19:30・21:30の
三交替制 日祝休

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「日本一うまい」 「日本一安い」
「日本一予約が取りにくい」 などと様々な
ウェブサイトで激賞に近い評価を受ける焼き鳥の店。

戦後すぐの闇市の風情がそのまま残るバラックの街・
のんべい横丁の真ん中の通路のちょっと南部分。
一間半(270cm)ほどの間口しかない小さな店内は
いつも11人前後がひしめく、東急田園都市線の
通勤ラッシュのような状態です。

店は、“おかあさん”と呼ばれる女主人のひとり舞台
であり、独演会。一種のテーマパークのようです。
常連客はみな、この“おかあさん”の柔らかい物腰と
語り口に惹かれやってきているのでしょう。

一方で、この店には厳しい“しきたり”があります。

たとえば食べ物の注文のタイミングは“おかあさん”が
お通しの大根おろしを出し終わってからでなければ
ならないとか、4人で行ってもビールは一本ずつしか
出ず、しかも追加の注文の際には「お手すきの時で
結構ですので、ビールを…。」と前置きをしてから
注文するといった独特のルールがあるのです。

しかもそのしきたりをまとめた小冊子が店内に置いて
あり、客はそれをしっかり読んで守ることが求められる
のです。

まあ、この点でもう、好き嫌いが激しく分かれる店だ
とは言えるでしょう。


ところで、「日本一安い」というのはともかくとして、
この店の焼き鳥を「日本一うまい」と言ってしまうのは
いかがかと思います。

たしかに、ハツをはじめとする焼き鳥は量が多く、
レバーなどの刺身もみずみずしくおいしいものでした。
それでいて4人で行って合計でわずか6,600円でした
から、飲み食いできる量が実際には少ないとはいえ、
かなり安いことは間違いありません。

しかし、たとえば大根おろし。

小さめの丼に盛られ、うずらの卵を落としただけの
この大根おろしは、ちょっと醤油をかけて食べるだけで
しっかりと “うま味” が感じられます。
冷静に考えて、そんな大根おろしがあるでしょうか?

焼き鳥もまたしかり。
口に入れた瞬間からおいしく感じる「うまい」焼き鳥。
しかし、焼く前にたっぷりと振りかけられた“塩”は、
単なる塩とは見た目の透明度が違いました。

スープもまた、丼に注ぐ直前、赤いキャップの小瓶が
振られてからスープが注がれるのを、2回行って
2回とも“目撃”しました。

そして、すべてが同じ“うま味”だったような気がします。


ただ、勘違いしないでいただきたいのは、私は別に、
こうした“うま味”が悪い、と言っているわけでは
ありません。
正直、こうした“うま味”抜きではもはや中国料理や
東南アジアの料理が成立しないことも知っています。

しかし、この店を「日本一うまい」と言ってしまっては、
ほかの、正攻法で頑張っている店に対してかなり
失礼かと思うのです。


とはいえ、この店の味と価格とぎゅうぎゅう詰めの
異空間的店内はいまどき非常に珍しいもの。
テーマパーク的非日常体験が、食事という場で
思う存分楽しめるという点において、他に例を見ない
最強の焼鳥屋だと言えるかもしれません。


ツテを頼り、何回も電話して予約が取れた喜び。

11人がぎゅうぎゅうにひしめくなかでの不安感。

しきたりを守れるだろうかとびくびくしながらの1回目。

“おかあさん”の話を聞くゆとりが出てきた2回目。

名前で呼んでもらい、常連の優越感にひたる3回目。


もしこの店に入りびたり、人間を洞察し続ければ、
「心理が味覚に及ぼす影響」というテーマで論文が
書けそうですし、さらには「吊り橋の上で出会った
異性には恋愛感情を抱きやすい」に匹敵するような
心理学の大きな発見があるかもしれません。

ぜひ一度、体験してみることをお勧めします。






もうもうと煙を上げる巨大な焼き鳥
あまり焼き場は大きくない



この店独特の「しきたり」と
その対処のしかたを書いたマニュアル
昭和63年製とか


この店の“しきたり”の最初は
「ひたすら待つことに耐えよ」とのこと
この店でのすべてに通じる


「キクバリは味 ヨクバリは恥」
レバーなどの刺身の注文の心得だとか



ハンバーグほどもある巨大なつくね
この店の名物のひとつ
しかしちょっと大味(とくに塩は)


焼き鳥は串からはずして
連れと分けあって食べる



火の通りぐあいはなかなかいい





焼き鳥を食べ、ビールなどを飲んでひとり 2000円以下



このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/torishige.htm


2007・1