千代田区平河町2-5-5 全国旅館会館ビル5・6F
03-3263-9371

11:30〜14:00 17:00〜21:00
日祝休
地図はここ

「クローズ入りとクローズなし、どっちにされますか?」

汁なし坦々麺を頼んだとき、いきなりこう聞かれ、面食らってしまいました。
発音がヘンだったので2、3度聞き返したのですが、「黒酢」のことでした。
汁なし坦々麺に「黒酢入り」と「黒酢なし」があるというのです。

「どっちを頼むひとが多い、というかスタンダードなんですか?」と聞いてみると
「いえ、単に黒酢が入ってるかどうかだけの違いですので…」との返事。
とりあえず「黒酢入り」を頼んでみました。

この店は日本の坦々麺の発祥の店。
戦後しばらくのころ、先代の陳建民氏が四川料理店を創業したときに、もともと汁なしだった
坦々麺を日本人に合うように辛さを抑え、汁そばスタイルに改良したのがはじまり。
その「日本風坦々麺」の本家で、本場四川風の汁なし坦々麺を出しているというので
来てみたのです。

出てきたのは真っ白な麺が印象的な
本場四川風の汁なし坦々麺。
平たい皿に、辣油を中心にしたたれが敷いてあり、
その上に麺、肉味噌、ネギが重ねられています。

四川坦々麺の作法にしたがい全体をよくかき混ぜて
食べてみると、黒酢が効いていて上品な味。

辣油も山椒も抑え目。
四川飯店伝統の麻婆豆腐のあの唇まで痺れるような
辛さを期待して行くとちょっと拍子抜けしますが、
黒酢の甘酸っぱさと辛さがうまくバランスされていて、
本場四川風の様式を守りながら、あっさりと日本的に
洗練された坦々麺になっています。

しかし、ちょっと麺が少なめでした。
それに、「黒酢なし」はいったいどんな味だろう、という
興味もふつふつとわき起こってきます。
「おかわり。こんどは黒酢なしを。」の注文に店員は
目が点でした。

しかし、出てきたのを見て、こんどは私のほうが
目が点になりました。

「単に黒酢が入っているかどうかの違い」
どころじゃないのです。

右上の写真を見てもらえばわかりますが、
まず器からしてまったく違います。
皿ではなく、普通の汁そば形式の坦々麺と同じ丼。
たれも芝麻醤(ゴマペースト)が入り、オレンジ色。
上にはチンゲン菜も乗っています。

これはまさに、先代・陳建民氏が創作した日本独自の
「建民担々麺」(最近、四川飯店ではこう呼ぶらしい)
から、単にスープだけを省いただけのもの。

実際の味もまた、やはり「建民担々麺」からスープを
省いただけの感じ。醤油ベースのスープがないだけ、
ゴマの甘さが強調され、辛さがよりマイルドになって
いる感じです。

伝統の汁そばスタイルである「建民担々麺」も、私は
好きですが、汁なしでどちらがいいか、と聞かれたら、
私は迷うことなく「黒酢入り」を選びます。

ところで、ちょっと注意していただきたいことがあります。

それは、ここでいまお話ししているのは、あくまで
平河町(永田町)にある「赤坂四川飯店」のことだと
いうこと。
というのも、この四川飯店は全国に店がありますが、
それぞれの店であまりにもバラツキが大きいのです。

たとえば、広島。
いくら広島が“中華不毛の地”とはいえ、「そごう」の
レストラン街にある店はまるで客をなめています。
六本木の店もそうでした。
いくらしっかりしたレシピがあったとしても、やはり
料理とはあくまで属人的なものなのでしょう。


さて、坦々麺だけの話で終わるのも何ですから、
そのほかの料理について。

赤坂四川飯店を代表するもうひとつの料理といえば
麻婆豆腐。麻婆の「麻」は、しびれるという意味があり、
辛さは唐辛子だけでなく山椒を多用するのが本来の
姿。山椒が唇に作用して、ジーンとしびれる感覚は、
やはりこの店ならではのものです。

ランチタイムに出てくる麻婆豆腐はさすがに万人受け
というか辛さ抑えめの味。コスト面もあるのでしょう。
夜、注文したときに出てくる麻婆豆腐とは違いますから
できれば夜、ちゃんとした食事の機会を作って行って
みてください。夜は予約をしていった方がいいでしょう。



汁なし坦々麺(黒酢入り)
正式には「正宗担々麺」という


汁なし坦々麺(黒酢なし)
なんでこんなに違う…。


普通の汁ありタイプの坦々麺
最近は「建民担々麺」と呼ぶとか



ランチの麻婆豆腐(六本木店)



赤坂四川飯店が入る
全国旅館会館ビル
すぐ近くに自民党の各派閥が
事務所を構える砂防会館があるなど
この一帯は日本の政治の中心地

鉄人・陳建一の店、赤坂四川飯店。

番組はとっくの昔に終わったのに、いつまでも「鉄人」と呼ばれてしまう彼らっていったい…。

という素朴な疑問は置いといて、辛い辛い四川料理に舌鼓を打ってみてはいかがでしょうか。


【ランチ】サービスランチ 麻婆豆腐 担々麺 1,280円

陳麻婆豆腐 2,000円 海参鍋杷(なまこ入りおこげ料理) 3,500円
建民担々麺 1,155円 正宗担々麺 1,260円


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http://www.totteoki.jp/shibuya/shisen.htm


2004.8