北海道釧路市阿寒町
阿寒湖温泉4-7-8

0154-67-2159

9:00〜22:30 (5月〜10月)
12:00〜21:30 (冬期・要予約)
地図はここ


アイヌ料理、と聞いて即座にその料理をイメージできる
人はまずいないでしょう。

上の写真はそのアイヌ料理の代表的な一品、
「チェップオハウ」です。チェップとは鮭、オハウとは汁を
意味し、鮭や根菜類を薄い塩味で煮込んだお椀もの。
非常に滋味深く、素朴でやさしい味は、素材の良さが
あってこそのもの。
この「チェップオハウ」は、現在の北海道の郷土料理、
石狩鍋や三平汁のルーツでもあると言われています。

この店があるのは北海道東部、マリモで知られる
阿寒湖のほとりにある温泉街。アイヌコタンという
アイヌの人々が暮らす集落のなかにあります。

アイヌは、日本の先住民としてかつて北海道を中心に
樺太南部、千島列島全域にわたって住み、鮭や鹿など
狩りをしながら暮らしていた狩猟民族です。

明治に入り、北海道が正式に日本に組み込まれると
同時に、アイヌの人々もまた日本国民に組み込まれ、
それまでの儀式・習慣の多くを禁じられ、アイヌ語の
代わりに日本語の使用を強いられたのです。

いま、アイヌの人々といっても、私たちとの違いは
ほとんどありません。日本語を話し、日本語で考え、
同じ家に暮らし、普段は同じものを食べています。
それが140年にわたる同化政策の結果という現実では
ありますが、彼らはいま、日本社会の一員として
私たちとなんら変わりのない生活を営んでいます。
ただ、少し深く接してみると、根底の部分、たとえば
神の存在などで何かが違うと感じる時があるくらい
でしょうか。

さて、この店の話に戻りましょう。

アイヌコタンでは、中央の劇場で民族に伝わる歌や
踊りを見られるほか、たくさんの土産物屋で伝統の
木彫りや刺繍などの文化に触れることができます。

そのなかでも、唯一のアイヌ料理専門店として営業
しているのがこの店。間口が狭く、細長い店の半分は
民芸品店で、その半分がアイヌ料理店となっています。

メニューは上に挙げた「チェップオハウ」セットのほか、
鹿肉を同様におつゆにした「ユックオハウ」のセットも。
鹿肉はいいダシが出るのですが、肉そのものは火を
通すと固くなるので、私個人としてはどちらかというと
鮭の「チェップオハウ」のほうがお勧めでしょうか。

いずれもご飯などが付くセットとして提供されていますが
一緒に付いてくる「メフン」も味わう価値があります。
この「メフン」、鮭の背わたを塩漬けにしたものですが、
とろりとして塩辛さのなかに独特の甘さがあり、酒の
つまみにしたら最強と思えるほどの風味があります。

またほかのメニューとしては、アイヌ風の炊き込みご飯
「アマム」に、鹿肉のカレーをかけた「アマムカレー」が
アイヌ料理入門として人気のメニュー。

もちろん、カレーそのものはアイヌ料理ではないので
「アマムカレー」は創作ですが、豆や山菜を炊き込んだ
ほのかな甘味のごはんに、おふくろの味のカレーが
よく調和していて、なかなかの味にまとめあげられて
います。

そのほか、鮭を凍らせて刺し身にした「ルイベ」や、
イモのデンプンを発酵させた「ポッチェイモ」などの
アイヌ料理がサイドメニューとして並びます。
先ほどの「メフン」も含め、夜、酒を飲みながらアイヌ
料理をつまむ、という楽しみ方もできそうです。


13年前に東京に「レラ・チセ」ができるまで、それこそ
世界で唯一のアイヌ料理店だったというこの店。

基本的には春から秋にかけての観光シーズンの営業が
中心のようですが、もし北海道を旅する機会があったら
ぜひこの店に寄って珍しい料理に舌鼓を打ち、また
先住民・アイヌの人々に接してはいかがでしょうか。






阿寒湖畔にあるアイヌコタン
歌や踊りなどの公演とみやげ物の街


アイヌコタンの劇場では
アイヌ伝統の歌や踊りが見られる


ユックセットのオハウ
鹿肉と山菜などの薄味おつゆ


鮭の背わたを塩漬けにしたメフン
酒のつまみにしたら最強


アマムカレー
アイヌ風炊き込みご飯の鹿肉カレー


ポッチェイモ
やわらかな甘味と独特の歯ごたえが面白い



細長い店の半分は民芸品が並ぶ



ユックセット 850円 チェップセット 850円
アマムカレー 800円



このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/poronno.htm


2007・11