渋谷区道玄坂2-23-13
SHIBUYA DELI TOWER B1F
閉店しています

11:30〜
地図はここ



【下のほうに2007年11月の追記があります】

閉店しています

沖縄料理といえば、欠かせないのが昆布。沖縄の昆布の消費量は全国一なのですが、
実は沖縄の海では昆布がまったくとれません。沖縄料理は、昆布などの日本の文化と、
中国の「炒める」文化が融合したもの。さらに米国占領下で豚肉(ランチョンミート)や
ソーセージの缶詰が加わりました。この独特の食文化を味わうとき、海を通じて
交流しながらも、大国に翻弄され続けた沖縄の歴史を感じます。

そしてこの店。
かなり古くから渋谷にある店で、つい6年ほど前まではすごく小さい店でした。
いまの場所からちょっと離れた、センター街奥の古い雑居ビルの2階。
薄暗く、まるで物置のような焦げ茶色一色の店内に、置けるだけのテーブルが並べられ、
客はひしめき合うようにして当時、まだ珍しかった沖縄料理に舌鼓を打っていました。
沖縄料理を提供するというより、沖縄の人が肩寄せ合うための場、といった風情の店でした。

当時からおいしかったのは、「スクガラス」。
あいごという魚の2cmほどの稚魚を塩漬けにしたものを豆腐に乗せただけのものですが、
その独特の塩辛さと豆腐の甘さがよく合って、泡盛のアテとして最高のものでした。
スクガラスの双璧をなすのは「豆腐よう」。
中国料理の食材である「腐乳」が伝わって変化したものでしょう。豆腐を発酵させ
これを爪楊枝で引っかいては舐めるのは、一種独特の儀式のようで新鮮です。

その後、店は同じビルの地下一階に移転。3倍以上はあろうかという面積を手に入れ、
折からの沖縄ブームも手伝う形で盛況を続けていました。
そして今回、東急本店のすぐそばにできた新築ビルの地下一階にふたたび移転。
見違えるほどきれいになった店内には、かつての物置のような面影はまったくなく、
清潔な店内に、白いシャツで固めた若いウェイター/ウェイトレスが対応してくれます。
しかし、これが人々が潜在的にイメージする沖縄料理店の姿にマッチするのかどうか。
これまでこの店を愛したたくさんの常連客の目にどう映るのかが気にはなります。
まあ、それ以上に新しい若い客が入るのかもしれませんが。

 



2007年11月、かなり久しぶりにこの店に来たら、
内装も店の雰囲気もまったく変わっていました。

内装は黒っぽく変更され、BGMは沖縄民謡。
従業員の人々の制服もアロハ調になり、普通に
沖縄料理店らしくなってきていました。

普通に、というのは悪い意味で使っているのではなく
一般の人々が「沖縄料理」と聞いたときにイメージする
店の姿そのままになったという肯定的な意味です。

やはり移転直後のような白いシャツに黒いパンツでの
サービスでは、何の料理屋かわからず、まず第一に
味も違って感じられたでしょうから、これが正解だと
思います。

料理も洗練され、さらにおいしくなった気がします。
ランチで「中身イリチー定食」を食べてみたのですが
“中身”こと豚の内蔵も臭みがなく、葱などとほのかに
甘辛く炒められていい感じです。

ただ、定食の真ん中に鎮座する小鉢にはとろろが。
ごはんも麦ごはんで、ちょっと沖縄料理らしくありません。
個人的にはこういう定食にはジューシー(炊き込みご飯)
選べたりするとうれしいのですが、メニューを見ても
存在しないようでちょっと残念。

また「沖縄そば定食」は連れが頼んだのですが、
スープもあっさりしていて上品、麺も沖縄そば特有の
ぼそぼそした食感も少なく、バランスよく仕上がって
います。那覇の「首里そば」に通ずる、食べやすい
沖縄そば、といった感じでしょうか。

ただ、 この沖縄そば定食にも“とろろ&麦ごはん”が。
ちょっと不思議な定食になっています。

制服は諦めたようですが、どうもこの店にはどこか
沖縄らしくしたくない、というか“脱・沖縄”を目指そう
という指向があるのかもしれません。

とはいえ、料理は相変わらずおいしく本格的。
あらためてお勧めできる店です。



大きく雰囲気が変わった店内
いい意味で“普通”になった



中身イリチー定食
中央にあるのはとろろ



沖縄そば定食
やはりとろろが付く



ミミガー
少し酸っぱく仕上げられている





このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/okinawa.htm


2003/4  2007/11 追記・写真追加