渋谷とっておき!!ホーム 広島県福山市
鞆町後地1437
0849-82-2349

8:00〜20:00
日休 

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名物、アブラパンです。

名前があまりに衝撃的ですが、昔はけっこう各地に
あったとのこと。アブラはもちろん「油」であり、
けっして「脂」のほうではありません。

戦後まもなくの時代、復興途中でまだ貧しかったころ。
食用油は貴重品であり、揚げパンはごちそうでした。
上の写真のアブラパンはあんパンを揚げたもの。
昭和23年創業のこの店の、昔から変わらぬ人気
商品です。

名前からしてベタベタギトギトしてそうですが、意外に
さらっと軽い口当たりで餡の量も甘さも控えめ。
けっこう洗練されている味に驚きます。

この店があるのは広島県福山市の鞆の浦。

瀬戸内海の中央に位置し、潮の流れの境目にある
ため「潮待ちの港」として栄えた天然の良港です。
海上交通と通商の要として栄え、豪商が軒を並べた
という街並みはそのまま現代に残っていて、町全体が
まさに生きた遺産。

坂本龍馬の乗った船「いろは丸」が沈没した際の
談判の場所となるなど、数々の歴史の舞台となった
ことで知られるほか、最近では、宮崎駿監督がのべ
数か月にわたって滞在し「崖の上のポニョ」を構想
しています。

実はその滞在期間中、宮崎駿監督はこの店に毎日
のように通い、パンを買っていたとか。
昔から変わらぬパンに愛着を覚えたのでしょう。
このアブラパンも食べたはずです。

実は、この店のアブラパンは1種類ではありません。

右の写真にあるように、餡の入ったものに加えて
クリームがはいったアブラパンも存在します。

しかもそのパンの袋の裏に書かれている商品名は
「油クリーム」

まるでポマードでも連想してしまいそうな名前ですが
カスタードクリームの量はさほど多くなく、これもまた
甘さ控えめのいたって上品な味。

ささやかな贅沢というものがまるで生き抜いてきた
かのような存在です。

経済発展が止まると、街を流れる時間も止まり、
そのままの姿で残ります。
かつて訪れた社会主義時代のプラハがそうでした。

ここ鞆の浦も、海運から陸運への時代の変化に
取り残され、あたかも江戸時代そのままの姿で
私たちの目の前に存在します。

この飾らない素朴な街にふさわしい、素朴なパン。
いつまでもこの姿で残っていてほしいものです。

カタカナで「アブラパン」は
インパクトありすぎ



店内のショーケースには
いろんな懐かしいパンが


鞆の浦の中心
かつての栄華を偲ばせる街並み


アブラパンにはもうひとつ
クリーム入りのものもある


その名も「油クリーム」
衝撃的な名前だが上品な味


宮崎駿が足しげく通ったという
「村上製パン所」





油アン(揚げあんパン) 120円 油クリーム(揚げクリームパン) 120円



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http://www.totteoki.jp/shibuya/murakami.htm


2014・3