渋谷とっておき!!ホーム 小笠原村父島字東町
04998-2-2030

11:00〜14:00
18:00〜23:00
休:おがさわら丸入港前日

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東京から南に1000キロにある絶海の孤島群・
小笠原諸島の父島。

東京・竹芝桟橋から船に乗り、25時間半も太平洋の
荒波に揺られないとたどり着けないこの島は、たぶん
都心からいちばん時間的に遠い日本でしょう。

クジラが潮を吹きイルカが泳ぐ海など、それはもう
語り尽くせないほど美しい自然があるのですが、しかし
料理、とくに和食についてはあまり期待できないん
じゃないかと思っていました。

なにしろ人口が2,000人あまり。観光で食べている
島とはいえ、その多くがドミトリー(2段ベッドの相部屋)
民宿かコンドミニアム。ホテルはあっても旅館と
呼べるものは一軒もありません。

こんな場所ですから、海の料理と言っても単に切った
だけとか焼いただけだったり、手がかかっていても
高原のペンションの“なんちゃってフレンチ”のような
ものが出てくるんじゃないかと高をくくっていました。
この店に出会うまでは。

この店があるのは父島の中心・大村地区の繁華街。
店先は雑然としているのですが、いざ入ってみると
こじんまりとした居心地のいい空間です。寿司屋という
よりは大衆割烹、小料理の雰囲気ですが、出てくる
料理はすべてしっかりした技に裏打ちされたもの。

私なんかこの店が気に入り、6日間の滞在期間中、
3回も通ってしまいました。


「島寿司」はこの島を代表する郷土料理。
(さわら)のづけを握ったもので、わさびの代わりに
和がらしを薬味に使っています。身のパサつきやすい
鰆の口当たりをよくするために漬け込んだのが始まり
でしょうが、この店のものは漬けかたがあっさりして
いて上品です。

この島寿司、同種のものが沖縄県の大東諸島にも
「大東寿司」として伝わっています。東京都と沖縄県、
直線距離にしても1500キロ近く離れたふたつの島で
同じ寿司があるのは不思議に感じられますが、これら
ふたつの寿司はともに八丈島がルーツ。

南の島の開拓の歴史には必ずその名が挙がる
八丈島からの移民が伝えた鰆のづけの寿司が、
いまもふたつの島に根付いているのです。

もし滞在中に店で食べる機会がなくても、帰りの船で
食べられるよう折り詰めの予約販売も行っています
ので、ぜひ一度食べてみてください。


なお、そのほかの魚料理でよかったのを挙げると
アズキハタはハタ、沖縄で言うミーバイの一種。
珊瑚礁のなかでよく見られるまだら模様の魚ですが
ハタのなかでは高級品とのこと。食べてみるとたしかに
身がしっかりしててほのかに甘く、クエに近い味です。
それもそのはずで、クエもまたハタの一種とのこと。
今回の小笠原の旅で食べた刺身で一番でした。


そしてこの店で勇気を奮って食べてみてほしいのが
アオウミガメの料理。現在に伝わる、小笠原諸島
独自の食文化です。

亀のどこを食べるのさ、と聞かれそうですが島では
甲羅以外のすべてを食べるといってもいいほど。
胸の近くの肉を刺身にするほか、ほとんどの身を
一緒に煮込んだりします。

刺身はほかの店で経験したので、この店で食べたのは
「亀のチャーシュー」と「亀のホルモン炒め」の二品。

「亀のチャーシュー」はチャーシューというより煮こごり。
和風のしっかりしただしで煮込まれた亀の身からは
たっぷりのコラーゲンが出てきれいな煮こごり状態。

こうした煮物は、通常はかなりのクセや匂いがあって
普通の人には抵抗があるようですが、この店では
下ごしらえをしっかりしているために亀の身のうま味
だけを上手に引き出しています。知らずに食べたら
何を食べているのかわからないほど美味です。

「亀のホルモン炒め」も同様にまったく臭みがなく
コリコリとした身からはじゅわっとうま味がしみだして
きます。少なめに添えられたゴーヤや玉ねぎとの
相性もよく、酒がとまらなくなるほど。

この店の主人の技術の前では、亀はゲテモノなど
ではなく、立派な他に代えがたい食材として昇華
されているのです。


地元の魚を使ったきっちりとした和食・寿司を食べるも
よし、亀の身の意外なまでに上品な味を楽しむもよし。

父島を訪れたら、ここに寄らずして小笠原の食を
語ってはならないと思えるほどの店。
ぜひ一度、その本格的な味に驚いてみてください。


島寿司
南大東島のものと同じ鰆のづけの寿司
もともとは八丈島がルーツ


どこまでも青い海と空
絶海の孤島という言葉が
これほどふさわしい場所はない



雑然とした店先
ぱっと見にはいい店には見えないかも


この店では、帰りの船で食べられるよう
島寿司を弁当にもしてくれる


アズキハタの刺身
沖縄で言うミーバイの一種でクエの近親


近海のマグロの煮物
ふんわり炊かれてておいしい


亀のチャーシューという名の一品
実際には煮こごりといった感じ



亀のホルモン炒め
しっかり下ごしらえをしてあるだけあって
臭みはまったくなくおいしい


玉子焼きも自家製
ちゃんとした寿司屋の玉子焼き






【定食】 アカバの唐揚げ島醤油かけ定食 島魚の煮付け定食 島魚と島野菜天ぷら定食 各1,580円

まぐろ刺身 1,050円 そでいか刺身 1,050円 かめ刺身 1,050円 刺身盛り合わせ 1,575円
島寿司 1,050円 上にぎり 1,680円 まぐろにぎり 1,680円 かんぱちにぎり 1,680円
地魚煮付け 1,050円 あかば唐揚げ 1,050円 あかば味噌汁 630円 玉子焼き 525円
亀のホルモン炒め 840円 亀の雑炊 840円 亀の煮込み 1,050円



このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/marujo.htm


2008・8