中央区築地2-12-16
JFA築地ビルB1
03-5565-0052

11:00〜14:00(平日)
17:00〜22:00
日休
地図はここ

ひとことで言うなら、素朴に見えながらほんとうに
手が込んでておいしい料理です。

築地といっても市場のあるほうではなく、築地本願寺の
向かいの一角、築地小学校のすぐ北のビルの地下。

扉を開けると、簡素な調度の店内ですが、壁には
水路が張りめぐらされたバングラデシュの農村風景が
淡い色彩で描かれ、いい雰囲気を醸し出しています。

2回目に訪れたのはランチタイムでした。
「カレー」や「ジャガイモと肉の煮込み」などの料理と
ライスまたはルティ(インドのナンのようなもの)に
ドリンクが付く970円のセットをベースに、さらに
サモサ(揚げ春巻きのようなもの)がついて1200円、
さらに肉料理など数品が付く立派なコースが1800円
という三本立てです。

頼んだのは1,200円のセット。
最初に出てきたサモサは厚みがあり、中には具が
たっぷりと詰まっています。具は鶏肉中心のようで
スパイスもインド風ではなくあっさりしたもの。
素材の味をそのまま生かすような味でした。

次に出てきたメインは肉とジャガイモ煮込みと
ルティ。それに小鉢のサラダと一切れのバナナ。

肉とジャガイモの煮込みは、たっぷりの油が入った
スープで煮込まれていますが実にやわらかな味。
ここでも、人工的に味付けをするのではなく素材の
持ち味を生かしています。

ルティは、重めのナンといった感じ。
ナンが、焼いてる間に膨らんで中に空間ができたり
食感がパリッとなったりするのに対し、ルティは
クレープを5倍厚くしたようなそんな食感。
しかし、小麦のうま味はナンよりも強く、食べた
満足感はこちらのほうがあると言えます。

インド料理のようなスパイスたっぷりのインパクトある
味を期待して行くと肩すかしにあうかもしれませんが、
その味は実に手間ひまかかった自然の味わいです。

店の主人、ジャラルさんによれば、この店の料理は
ショ糖(砂糖)を一切使わず、牛乳を煮詰めて作った
調味料を使うとのこと。やさしい味わいは、こうした
ひとつひとつの調味料によるところも大きいのです。
この調味料、もしかしたら「醍醐味」の元になった
「醍醐」と似たものなのかもしれません。


もともと、この店を最初に知ったのは、日経のHP
『食べ物新日本奇行』のオフ会のときでした。

ジャラルさんはこのとき、なぜバングラデシュの人々が
食事にこんなに手間をかけるのか、その根底にある
バングラデシュの人々考え方を説明してくれました。

それは、「食べるために生きる」という考え方。



壁にはバングラデシュの絵


ランチについてくるサモサ


肉とジャガイモの煮込みとルティ


意外にもまろやかな味


築地といっても市場の賑わいはない地域

人類って、文明の進展とともに、“食べるために生きる”から、“生きるために食べる”へと
食の意味を変化させたような気がします。

つまり、その日の食糧を見つけ、食べるのに精一杯だった時代から、農業の発達とともに
食べる時間以外の時間が生まれ、生きがいというものを考えたり、日々の楽しみを
追求することができるようになりました。

しかしその一方で、文明の発達によってむしろ我々は日々の仕事や生活に追われてしまい、
ほんとうの“豊かさ”を忘れてしまったのかもしれません。

バングラデシュのように“食べるために生きる”ことが、決して貧しさや文化の未発達を
意味しないこと、私たちの方がむしろ“貧しい”食生活を送っているというジャラルさんの
言葉は、ほんとうに心に響くものでした。


ほんとうの豊かさとはなにか---。


この店の料理のなかに、その答えが詰まっているのかもしれません。



【ランチ】 カレーorジャガイモと肉の煮込み+ミニサラダ+ライスorルティ+フルーツ 970円
カレーorジャガイモと肉の煮込み+ミニサラダ+サモサ+ライスorルティ+フルーツ+チャイ 1300円
カレーorジャガイモと肉の煮込み+ミニサラダ+サモサ+肉料理+ライスorルティ+フルーツ+チャイ 1800円


このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/jaral.htm


2005・2