渋谷とっておき!!ホーム 佐賀県鳥栖市京町
JR鳥栖駅構内

7:00〜
21:00
無休

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鳥栖駅といえば、かつて九州の鉄道の要衝でした。

九州を南北に貫く鹿児島本線と、東西に走る長崎
本線と久大本線とを結ぶ結節点であり、おそろしく
広い構内にはさまざまな列車が行き交い、常に
活気にあふれる駅でした。

私が幼いころはまだ蒸気機関車の姿を見ることが
でき、転車台で方向転換する姿も見られたものです。


その活気があった頃から続くホーム上のうどんの店。

客は列車の待ち時間、このスタンドに鈴なりになって
あわててうどんをすすっていたものです。

しかも昔は、このうどんを"テイクアウト"する姿もよく
見られました。テイクアウトでどこに持っていくのか。
それはもちろん列車内です。

鳥栖駅に停まると客がダッシュで駆け降りてきて
うどんを注文、テイクアウト専用の黄色のぺらぺらの
プラスチック容器に入れられたうどんを手に、あわてて
車内に戻ってきます。
車内ですするうどん。その姿はいまとなっては信じ
られないものではありますが、かつてこのあたりでは
普通に見られた光景です。

いまでも店頭に「容器代30円」の紙が貼られています
から、テイクアウトできないことはないのでしょう。


さて、主役のうどん。

薄味のつゆに浮かぶ麺は、太くて丸い断面の
ふにゃふにゃのもの。いまでこそ讃岐うどんの
全国への普及でうどんにはコシがあるのが当然の
ように思われていますが、九州のうどんはもともと
ふにゃふにゃのぶちぶち。ふやけてしまったのでは
ないかと思うほど。

これは、もともとのうどんという食べ物の目的が
違うことによるもの。九州のうどんは(関西もそうですが)
麺を味わうというよりも、薄味のおいしいだしを
からませて食べるものというものですから
小腹を満たす目的としてはこれでいいのです。

だしは昆布や煮干しをベースにしたもので、上記の
とおり薄味。これに必ず付くトッピング「かしわ」に
よって甘辛さが加えられています。
「かしわ」とは九州で鶏肉を指すことばで、ここで
言う「かしわ」は甘辛く煮てほぐしたもの。これが
なかば強制的にうどんに乗ってきます。

これが基本メニュー「かしわうどん」で320円。
客は、これにトッピングを加えた「月見」「丸天」
「ごぼう天」「えび天」「あすぱら天」を選ぶことが
できます。

私が食べたのは「ごぼう天」(420円)。

ごぼうを短冊型に切ったものを天ぷらにしたもので、
九州のうどんではごく一般的なトッピング。ごぼうの
ほんのりとした甘さと歯ごたえがうどんに合い、衣の
油がつゆに溶けだしてなめらかな舌触りを加えて
くれます。かしわの甘辛い味も加わり、一気につゆ
まで飲み干してしまいました。九州のうどんの基本を
しっかりと守ったおいしい一杯でした。

また、うどんスタンドに併設されているキオスクには
同じ中央軒の駅弁「かしわめし」やシュウマイ「焼麦」
も売られています。

もともと駅弁屋であり、「かしわめし」は九州の駅弁の
代表作、シュウマイはかつて"東の崎陽軒、西の
中央軒"とうたわれたほど有名だったといいますから、
こちらもおすすめです。

シュウマイも久しぶりに食べてみると、肉から出る
特有の匂いが崎陽軒と同様で郷愁を呼び覚まして
くれます。

来年(平成23年)3月に九州新幹線が全線開業すると、
この鳥栖はさらに寂しい駅になってしまうかもしれ
ませんが、それでもこのうどんやかしわめしはずっと
生き残っていってほしいものです。

途中下車してでも食べていってほしい。

そんな一杯のうどんです。




「ごぼう天うどん」
これぞ九州のうどん


鉄道の要だった鳥栖駅
かつてのにぎわいをしのぶものも


キオスクと併設の店舗など
駅構内に4店を構える


店舗にあるスタンドでの立ち食いは
陶器製の丼で


「かしわ」は九州での鶏肉の別名で
この店では甘辛く煮込んだものを指す


なかば強制される九州の味


これも九州ならではのトッピング
ごぼう天


開業に向け工事が進む九州新幹線
写真は久留米駅




かしわうどん 320円 ごぼう天 420円 丸天 420円
えび天 420円 あすぱら天 420円

いなり 150円 缶ビール 235円 日本酒 250円



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http://www.totteoki.jp/shibuya/chuouken.htm


2010・10