渋谷とっておき!!ホーム 足立区千住3-68
03-3881-8818


17:30-22:30
日月休

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つくねが少し、パサパサしているような気がしました。
以前訪れたときよりも。

しかし、それ以外は文句のまったくつけようのない味。

“これはもう焼き鳥ではない、鶏の創作料理だ”とか
“焼き鳥の概念を変える味”だとか、すでに各方面で
激賞されてはいますが、そこまでだとは思いません。

やはりこれは焼き鳥。
ただ、究極の形の焼鳥だとは言えるでしょう。


再開発で見違えるほどきれいになった北千住西口から
細い路地をくぐり抜け、サンロードという商店街に出て
すぐ右。黒っぽい外観に天然木をあしらったこの店が
究極の焼き鳥を出す店です。

使われている鶏は奥久慈シャモ。
奥久慈とは岩手県のことかと思っていたら、茨城県
最北部と福島県南東部の一部を含む地域とのこと。
茨城県北部といえば、常陸大宮市の奥の旧美和村まで
行ったことがありますが、かなりの山間地でした。
ここよりさらに“奥”というのですから、相当な場所なの
でしょう。

その、自然に恵まれた地域で育まれた良質の素材を
完璧の技で仕上げたものがこの店の焼鳥。


わさび焼きは、ほとんど湯引きをしたレベルの火の
通しぐあい。わさびはあえて主張せず、まずは口ならし
といった感じの一品でしょうか。

レバーは予想に反してあっさり。
渋谷の名店「鳥清」のがねっとりとした食感で人々を
魅了するのに対し、こちらのあっさり具合は健康美、と
言うべきものでしょうか。

皮もくどくなく、脂ぎってなくてよし。
ぎんなんも、舞茸も焼き加減、塩加減が絶妙。

そう、この店の塩加減は絶賛に値します。本当に
素材がわかる人、鋭敏な味覚を持つ人のための
塩加減といった感じです。
逆にいえば、理解できないひとにはこの店の味は
まったく理解できないのかもしれませんが。

ねぎまも、普通なら肉にちゃんと火を通そうとすれば
ネギが焦げてしまい、バランスが悪くなってしまうもの
ですが、この店のねぎまは肉にそんなに火を通す
必要がないこともあって素晴らしいバランスでした。


そうそう、“千住といえばネギ”、というのを知って
いますか?全国で唯一の白ネギ専門市場があり、
この市場を通った選りすぐりのものだけが特別に
「千住葱」と呼ばれているのです。

この千住葱、実際の産地は北関東などなのですが、
全国唯一の白ネギ専門市場だけに、この市場を通る
ものは品質が別格。巻きが幾重にも重なって密で、
生では辛くて煮たら甘い、ということで特別なブランドを
与えられ、料亭や蕎麦屋などの業務用のルートにだけ
流通していくのです。

今回、コースのねぎまもこの千住葱かと思いましたが、
いまひとつインパクトが弱く、よくわかりませんでした。
この季節は使っていなかったのかもしれません。


またこの店、日本酒に対する目の確かさ、センスの
良さも特筆すべきものがあります。

その代表が「小笹屋竹鶴」。

広島県竹原市の小さな酒蔵ではありますが、近年、
知る人ぞ知る名酒として評価がさらに高まっています。
私は広島にいたときに惚れ込んだ酒ですが、まだ
東京ではなかなか飲める店が少ないのが残念です。

とくに「純米原酒」はぜひ飲んでみてください。
その薄い黄色は健康なお酒の印です。

“広島の酒はべたべたに甘い”というイメージを完全に
覆し、惚れ込んでしまうこと請け合いですから。


そのほか、勧められるまま様々な品を食べたのですが
やはり最高の品は今回も親子丼でした。

親子丼は、あまり火を通さないと卵の臭みが前面に
出てしまい、途中で気分が悪くなるような感じになって
しまうのですが、この卵はさすがに別格。
これだけとろとろなのに、さらさらと何の抵抗もなく入り、
口のなかでふわっとふくよかな味と香りを広げます。

鶏肉のうまさに酔い、日本酒のうまさに酔い、そして
サービスの心地よさ、さわやかさに酔う店。

予約は非常に取りにくく、値段は焼鳥屋の水準を
はるかに超えますが、
それらの困難を乗り越えて
余りあるほどの至福が、最後の親子丼の向こうに
必ず待ち構えているはずです。


つくねには卵黄が添えられ
からめながら食べる



わさび焼き


火の通りは“湯引き”のレベル
新鮮だからこそできる


あっさりしたレバー





ねぎま
千住葱かどうかは確認できず


この店の焼き鳥を引き立てる竹鶴
(写真は純米吟醸)



最高の親子丼
それ以上の言葉がない



舞茸


外観はとても焼鳥屋には見えない

軍鶏の刺身

砂肝の煮こごり

ささみの風干し

レバーペースト

飲んで食べてだいたい6,000〜8,000円

コース7本 2,100円
軍鶏の刺身 1,400円 砂肝の煮こごり 600円 ささみの風干し 600円 自家製レバーのパテ 900円
生ビール(プレミアムモルツ) 700円 小笹屋竹鶴純米原酒 800円


このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/birdcourt.htm


2006・7