渋谷とっておき!!ホーム 中央区
日本橋本町2-4-12
03-3279-2361
(各百貨店に売店あり)

8:00〜15:00
(土日祝〜12:30)
無休
(年始のみ休)

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江戸の「濃ゆい味」を守る、折詰弁当の老舗です。

今年4月、電動ボートを1隻チャーターして花見を
することになりました。時間はちょうど12時から、
門前仲町近くの大横川の桜を愛でる2時間コース。

江戸の風情あふれる花見を、しかもお昼時に催す
のですから、それにふさわしい弁当がなければなり
ません。そこでたどり着いたのがこの「弁松」でした。

折詰料理の専門店としての創業は、江戸時代末の
1850年。
特徴は何と言っても冒頭に挙げた「濃ゆい味」です。

「濃ゆい」というのは西日本の言い回しであり、
標準語では「濃い」。九州に生まれた私の感覚では
「濃ゆい」は多少ネガティブなニュアンスを含んで
いるように感じますが、それは薄味の文化と多少
関係があるのかもしれません。

正直、関東で「濃ゆい」という言葉を使うのを初めて
知りましたが、弁松の「濃ゆい味」は伝統と誇りの証。
江戸の味を守り続けているという気概が感じられる
いい言葉です。

弁松の基本は「並六」。
約6寸の経木の折に玉子焼き、メカジキの照り焼き、
生姜の辛煮、野菜の甘煮、豆きんとんが入ったもの。
白いごはんが付いて998円、赤飯だと1,155円です。

これから上に「並六上」「並かし七」「並七」「本七」
「本七丸」とランクがあるのですが、基本のおかずは
変わりません。

実際、花見に使った「本丸七」と、事前に購入し試食
した「並六」を比べてみましたが、玉子焼きと煮物と
生姜の辛煮はほぼ一緒。名物とされるタコの桜煮と
海老が加わったりはしまていますが、最も大きな
違いはメカジキの大きさと質でした。

「並六」のメカジキは硬く、消しゴムほどの大きさで
ちょっと筋を感じるものだったのに対し、「本七丸」は
ふた回りほど大きく、肉質もやわらか。コスト的に
かなり大きいウェイトを占めているのでしょう。
また、タコの桜煮はおかずというより酒の肴といった
感じの濃い味付けですが、これもまたおいしいのです。

まあ実際、「並六」と「本七丸」の間は1,200円もの
価格差があるわけですから、それくらいは違って
ないとむしろ困りますが。

なお、この店の弁当が守り続けているのは、味だけ
ではありません。

いまや和食の弁当といえば、発泡スチロールの
ペナペナしたものばかりになってしまいましたが、
この店はいまもなお本物の経木を使っています。
ふたを開けた瞬間にさわやかな木の香りがふわっと
漂い、なんとも懐かしい気持ちにさせてくれます。

経木の原料は、国内の森林から出る間伐材。
ですから石油で作る発泡スチロールなんかよりも
よっぽど山を守り、資源を大切にするのですから、
いまこそ経木を使う価値があるのです。

花見だけでなく、大切な人々との集まりで輪になって
食事をするような機会があったとき、ぜひこの
「濃ゆい味」を思い出してください。

守り継がれてきた古き良きものは、人々の心を
きっとひとつにしてくれるはずですから。


「本七丸」
「並六」のおかずは左のごはんと同じ大きさ
だから、折がふた回り大きいのがわかる


川面から見る桜は江戸の風情を感じる


花見に用意した「本七丸」
7寸というだけあってかなり大きい


これは「並六」
白いごはんには青梅が乗る


「並六」のおかず
玉子焼き、メカジキ、野菜の甘煮、
生姜の辛煮、豆きんとんの基本が詰まってる


「本七丸」のおかず
基本は「並六」と変わらないが、
メカジキが大きくなり、タコの桜煮がつく


「本七丸」のメカジキ
「並六」に比べふた回りくらい大きく
肉質もふっくらやわらかい





並六 998円 並六上 1,145円 並かし七 1,470円 
並七 1,596円 本七 1,901円 本七丸 2,174円

(いずれも白飯つきの値段・赤飯の場合は+157円)



このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/benmatsu.htm


2012・5