渋谷とっておき!!ホーム 山口県大島郡
周防大島町小松1720
0820-74-4870

11:30〜14:00
17:00〜21:00
木、第1水休

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これほど滋味溢れる釜飯は初めて食べました。
砂浜で宝石を見つけたような、そんな気分です。

瀬戸貝の釜飯。

瀬戸貝とはムール貝によく似たこの地域特産の貝で、
漁師が素潜りで獲るのだとか。細かく刻まれて
小さな釜に放り込まれたこの貝が、こんなに豊かな
風味を出せるものだとはほんとうに驚きました。


この店があるのは、山口県の周防大島(すおうおおしま)
淡路島、小豆島に次ぐ瀬戸内海で3番目に大きな
島です。また、ハワイをはじめとする海外にたくさんの
移民を送り出してきた島としても知られ、日本初の
「日本ハワイ移民資料館」があります。

私がこの周防大島に興味を持ったのは、民俗学者・
宮本常一(みやもと・つねいち)の故郷だったから。
著書「忘れられた日本人」で知られる宮本は、生涯を
旅に生き、全国の名もない人々の暮らしを見つめ
続けた“旅する巨人”でした。

私は、彼の業績に感銘を受けると同時に、旅に生きた
生きざまそのものに憧れているのかもしれません。
一生、旅をして暮らしていけたらどんなにか幸せ
だろうかと。


前置きが長くなりました。

この店にたどり着いたのは、一種の勘でした。

かつての島の繁栄を偲ばせる古い街並みを抜け、
「日本ハワイ移民資料館」に向かっていたときのこと。
右側に良さそうな雰囲気の和食店が目に入りました。
しかも平日の午後1時半だというのに、店先には
たくさんの車が止まっています。

ちょうど昼飯を食いそびれていましたので、迷うことなく
入ってみると、これが大当たり。

まず釜飯が名物とのことで、釜飯のセットを頼むことに
しましたが、鰻や穴子といったよくある具に混じって
見慣れない「瀬戸貝釜飯」という文字が。
これはここでしか食べられない地のものだと思い、
注文します。

しかし釜飯なので待ち時間が長い。
そこで630円と安かった「穴子の白焼き」を頼み、
待ち時間をしのぐことにしたのですが、まずこの穴子が
素晴らしかったのです。小ぶりで身も薄いものながら
表面はさくっ、カリッとしていて、なかはふわふわ。
焼き加減が絶妙で、うま味が口のなかに広がります。
これは感激のコストパフォーマンス(価格性能比)です。

そして30分ほど待って出てきた「瀬戸貝釜飯」。
見た目は写真の通り地味ですが、ごぼうやシメジとの
相乗効果もあって、その風味たるやあふれんばかり。
磯の香りやほのかなエグ味や苦味もあって、奥深い
味わいの釜飯となっています。

白身魚の吸い物も端正で、刺身も鯛をはじめ三種類。
どこまでも丁寧で、うれしくなってしまいます。

この瀬戸貝の釜飯は、わざわざこれを食べるため
だけにこの島を旅するだけの価値がある、とさえ
思います。ぜひ一度、試してみてください。


周防大島へは広島からJRで下関方面に一時間ほど。
岩国を通りすぎて、青い海が広がる車窓を眺めて
いると大畠という駅に着きます。ここから島は目の前。

島特有のゆったりとした時間と、瀬戸内海に浮かぶ
島々の美しい風景。

日本人が忘れつつある日本の姿、日本人の知らない
日本のほんとうの姿がここにあるのかもしれません。



ごはんの表面を埋めつくした瀬戸貝
滋味深いいいダシがでている


釜飯には刺身・吸い物・小鉢に香の物がつく
かなりお得感が高い


周防大島へは柳井市から橋をわたって


品のある店構え


穴子の白焼き


さくっとふわふわでおいしい
これで630円とは安すぎる


白身魚の吸い物


刺身は小さいながら三種も




【釜飯(刺身・吸い物・小鉢・漬物つき)】 瀬戸貝釜飯 1,575円 穴子釜飯 1,680円 さざえ釜飯 1,680円
鰻釜飯 2,100円 鮭いくら釜飯 2,100円 うに釜飯2,940円

焼き穴子(白焼) 630円 瀬戸貝焼き 840円 瀬戸貝すき焼き 1,260円
上にぎり 1,575円 特にぎり 2,100円 穴子丼 1,680円 

生ビール 600円 瓶ビール 650円


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http://www.totteoki.jp/shibuya/arakawa.htm


2008・3