新宿区新宿3-15-17
伊勢丹会館4F

03-5368-3378

11:30〜17:00(ランチ)
17:00〜22:00(ディナー)
不定休(伊勢丹に準ずる)


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自由が丘に本店を持つ、野菜料理の店。
「あえん」という名は金属の亜鉛からとったもので、
野菜に含まれるミネラルを象徴しているそうです。

たしかに中心は野菜ですが、菜食主義ではありません。
脇役の黒豚に鮮魚などもまた選りすぐられたもので、
こうした素材をうまく使いこなし、それぞれがちゃんとした
一品として仕上げられています。

たとえば「和歌山県産ケンケン鰹のタタキ」。
ケンケン鰹とは、和歌山県南部のすさみ町に伝わる
ケンケン漁という伝統的な一本釣り漁法で釣った鰹に
付けられる新しいブランドだそうで、その新鮮さが
特徴とか。
タタキとは言えほとんど生の鰹に、柔らかくマリネされた
野菜が山盛りされ、魚と西洋野菜が意外な調和を
見せてくれます。

「あえんサラダ」は、やはり野菜の質がわかります。
女性向けの店でサラダというと、とかく甘ったるい
ドレッシングが大量にかかっているイメージですが、
ここのは表面を濡らす程度でごく少なめ。やわらかい
野菜ひとつひとつの素材の良さを強調してくれる
よき脇役に徹しています。

「東北産黒豚の網焼き」は、じっくりと時間をかけて
焼き上げられたもので、表面は焦げず、中はしっかりと
火が通っています。しっとりした感じはないのですが、
噛むとじんわり肉汁が出てくる感じ。この肉汁が濃厚で
すごくおいしいのです。
個人的に、良質の豚肉は良質の牛肉と互角に戦えると
思ってきましたが、それを再認識させてくれました。

食べ進むうちに思ったのですが、この店のベースとなる
味を決めているのはたぶん九州出身のひとでしょう。
全体的な味が薄く、微妙に甘めに振られているのです。
ショーケースで販売している味噌を確認したところ
やはり麦味噌でしたし、製造されたのも熊本でした。

「たくめし」は、質素な和風ピラフといった感じ。玄米を
醤油味で炊き込み、たくあんと一緒に炒めたもので、
芯がわずかに残った米の一粒一粒の歯ごたえが
あって、ご飯というよりコメを食べている感じ、と言えば
わかってもらえるでしょうか。

この「たくめし」を頼む際、スタッフの女性は
「2,3人前ありますけど…」と、それまでさんざん食べて
いた我々に心配そうにアドバイスをくれましたが、
実際に出てきたのは小さなお茶碗二杯分。
私ひとりで食べてしまえる量でした。
アドバイスは相手を見てすべきでしょう。

後日頼んだ「鹿児島県産無添加ジャコのご飯」も
量は同じ程度。炊き込まれたご飯に、じゃこの佃煮が
乗せられたもので全体に薄味で上品な味付けと
なっています。じゃこは既製のものでしょうが、まあ
佃煮まで自家製にこだわる必要はないでしょう。
餅は餅屋、プロに任せればいいのですからね。

さて、この店でひとつだけ残念だったことがあります。

「青森県産長イモの素揚げ」を食べたときのことです。
たぶん一度ふかしたものを素揚げしたものでしょう、
水分がいい具合に抜け、さくっといい感じに揚がって
います。これに塩をつけて食べるようになっているの
ですが、このフランス産の塩がおいしくなかったのです。

天然塩につきものの、ほのかな甘さやうま味がなく、
まるでJTの精製塩をなめているかのような硬い味。
せっかくの素材を塩で食べさせようというのですから、
それだけ塩の味には気をつかってほしいものです。
この店には小笠原の塩もあることですし。

とはいえ、この店はデザートに至るまで
オリジナリティがあふれています。

「自家製マンゴーの豆乳入りアイス」は、ともすると
甘ったるいだけになってしまいがちなマンゴーの味を
パイナップルのような酸味を潜らせることによって
そのねっとりとした甘さを和らげ、豆乳を使うことで
クリーミーな一品に仕上げていました。

ひとつひとつの素材の良さを存分に生かしながら、
丁寧でオリジナリティあふれる料理。

野菜料理というジャンルで縛るにはあまりにも
もったいない、純粋なおいしさの料理をコンスタントに
提供できる店だと言えるでしょう。




和歌山県産ケンケン鰹のタタキ


あえんサラダ


東北産黒豚の網焼き


たくめし


鹿児島県産無添加ジャコのご飯


青森県産長イモの素揚げ


自家製マンゴーの豆乳入りアイス


【ランチ】あえんセット 1,600円 黒豚のカツ 1,600円

シェフのおまかせ料理(コース) 5,300円 3,700円
あえんサラダ 1,000円 ごぼうのごまあえ 650円 たくめし 950円
山芋汁 550円

【本店】目黒区自由が丘2-8-20 03-5731-8251 地図はここ


このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/aen.htm



2004.8