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“岡目八目”にはなりたくない。 2013年
5月 8日(水)






このままでは、人間がダメになってしまうと思いました。


もうずいぶん昔のことです。

私の会社には「半管理職」とも言うべき役職があって
ヒラだけど管理職並みの大きな権限を担うことがあります。

青天の霹靂で地方に転勤になり、その役職に就いたのが
32歳のとき。
「同期トップ」「会社史上でも最年少」などと周囲は
さかんに囃したてます。


しかし、本人としてはまったく嬉しくもなかった。

会社に入ってまだ10年。やっと仕事のなんたるかが
理解でき、モノづくりの面白さがわかってきたところ。
私のつくるモノに対する手ごたえも大きくなり、さあ
これからというところです。

なのに現場を永久に離れ、これから管理職への階段を
登れと言われたに等しいのです。ここで暴れようかと
思いました。


しかし周囲の説得を受け入れ、赴任したのが6月。
西の小さな街には、この季節だけの青空が広がっていました。


ところがこの「半管理職」、なってみるとすごいのです。
その職場での権限たるや、後輩たちに及ぼす影響力たるや。

小さな街の小さな職場ですから、私のグループは直属の
上司1人と後輩たち10人だけ。ほとんど思いのままに
職場を動かすことができるのです。周囲も巻き込んで。


しかも「岡目八目」とはよく言ったもので、後輩たちの
仕事を傍から見てみるとどこが悪いか、どうすれば
良くなるかは一目瞭然にわかってしまいます。

これには驚きました。
ここをこうすればいい、なんて的確なアドバイスが
まるで神のようにできてしまうのです。

もし自分がやってもちゃんとできないであろう仕事を、
上から偉そうに批評し、アドバイスをすることが日常と
なったのです。


これではいけない、このままでは人間が腐ってしまう。

そう思ったのはこの時でした。


モノを作りたくてこの仕事を選び、それまでわずか
10年ですが歯を食いしばってやってきたことで
つかみかけたものがありました。
そして一生の仕事にしたいと。

この「半管理職」を続け、分かったようなことを言い続けて
いれば、社内での“出世”の階段は登れるでしょう。

しかしそれはモノのつくり手としての「死」を意味しないか。


あなたの職場にも、必ず「わかんないんだけどさぁ」と
話の頭につけて語りはじめる人間がいることでしょう。
そして次に持ち出すのは自分の経験ではなく他人の例。

どこかで聞いてきた話を右から左へと流すことで
社内を渡り歩いていく、コンサルタントのような生き方。

私なんかからすると、
「ついこないだまで、こんまいモノを作るのにすら
 半べそかいてたくせに、偉くなっちゃってまあ」
なんて言いたくなります。(もちろん言いませんが)


作り手を志し、それを一生の仕事と誓ったからには
他のすべてを犠牲にしてもこだわって生きていこう。

その想いが、いまの私につながっています。


恵まれてなんかいません。
傍から見たらとても幸せには見えないかもしれません。


でも、いま私は胸を張ってこう言えます。


「私にはこれが作れます。あなたにはいま、何が作れますか。」





この文章へのリンク
http://www.totteoki.jp/negoto/negoto2013sp.htm#20130508


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消える巨大違法建築物。 2013年
2月 28日(木)




東急百貨店東横店東館。

かつて日本史上最大の違法建築物と呼ばれた
この建物が、まもなく取り壊され姿を消します。





何が違法だったのか。




この建物、実は「川の上」に建っているのです。




いまとなってはほとんど川の姿を見ることが
できませんが、渋谷はその名のとおり谷であり、
その最も低い部分には川が流れています。

流れるのは渋谷川と宇田川。

渋谷川は新宿御苑にその源流を発し、原宿の
「キャットストリート」と呼ばれる路地の下を流れ、
明治通りをくぐって東急東横店までたどり着きます。

また、宇田川は代々木上原のあたりから南東方向に
向かって暗渠(あんきょ)となって流れ、三角交番から
井の頭通りの下になって西武百貨店A館とB館の間を抜け、
JR山手線・埼京線をくぐって渋谷川に合流するのです。





なぜ、川の上のデパートが建っているのか。

そこには東急グループの総帥であり、その強引な
企業買収の手腕から「強盗慶太」の異名を誇った
五島慶太の存在がありました。

その“強盗慶太”が、関東で初めての鉄道ターミナル
デパートとして開業した「東横百貨店」がこの東急百貨店
東横店東館だったです。




この建物が川の上に建った経緯を、猪瀬直樹がかつて
週刊誌の連載「ニュースの考現学」に書いていますので
それを引用しましょう。


五島は資本主義は弱肉強食だと信じていた。
自分に有利ならばなんでもやった。
渋谷の東横百貨店(現、東急百貨店東横店東館)は
もともとは川が流れていたところだ。
橋の「幅員拡張願い」を当局に出した。承認を得て幅員
拡張工事を実施した。工事が終わるとその場所をバスの
折り返し場に使用したいと申し出る。許可されると、では
雨天の場合に利用者を保護しなければと迫り、屋根の
建築を申請する。どうせなら屋根の上に食堂や売店を
設置すれば利用者は待ち時間に買い物ができるでは
ないか。これで二階建てが決まった。地震がきたらどうする、
鉄筋コンクリート造りなら大丈夫だ。鉄筋なら二階建てよりも
五階建てでも安全ではないか。既成事実の積み重ねは
とどまるところをしらない。

(猪瀬直樹著 週刊文春「ニュースの考現学」より 2005年4月14日号)



つまり、“強盗慶太”は官僚に対し次々と要求を持ち出しては
ゴリ押し、ゴネ得でこの建物を川の上に建てたというのです。


そして、東急東横店にはもうひとつ “強盗慶太” らしい
部分がありました。




それは、上の写真で赤い線で囲んだ部分。
ここは東館と西館を結ぶ「連絡通路」で、JR山手線と埼京線を
またいでいます。

ところが実際にこの部分に入ってみると、そこは「売り場」として
使われています。いまでこそ規制緩和で合法化されましたが
それまでは違法とされる行為です。

通路が売り場になるために、いったいどんな理屈がまかり通って
いたのかは謎ですが、そこにはやはり五島慶太の姿があった
ことは間違いないようです。

川の上に建物を建て、連絡通路を勝手に売り場にしてしまう
“強盗慶太”の剛腕ぶり、恐るべしです。



この文章へのリンク
http://www.totteoki.jp/negoto/negoto2013sp.htm#20130228


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マイクロソフトのタブレット登場か。 2013年
2月 25日(月)




うっかりフライングしたのでしょうか。
それとも話題作りの“チラ見”でしょうか。


きょう(2013年2月25日)夕方、ハチ公前交差点の
TSUTAYAのビルの壁面に、「Surface」の文字が
でかでかと。



さらに、「ハマる、タブレット。」のコピーも


Surfaceとは、マイクロソフト版 iPadとも言うべき
タブレット端末。



米国など主要国では去年10月の Windows8 発売と同時に
販売開始されましたが、日本では国内パソコンメーカーに
配慮したためか発売されませんでした。



その Surface がこうして渋谷のど真ん中で広告に登場する
ということは、いよいよ日本での発売が近づいてきたようです。


しかし、調べた限りではマイクロソフトからの公式発表はまだ。
どのメディアも報じていません。

ということはやはり、渋谷で“チラ見”させて話題を盛り上げ
ようというのか、それともちょっと早まってしまったのか。




いずれにせよ、打倒 iPadの本命、登場のようです。



この文章へのリンク
http://www.totteoki.jp/negoto/negoto2013sp.htm#20130225


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