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ハブという発想が古いのだ。 2009年
11月4日(水)






最初にはっきり言っておきますが、
「ハブ空港化で経済発展」という発想は、発展途上国のそれであって
けっして先進国が取る政策ではありません。

羽田空港を国際的なハブ空港にしようという政策は、
あきらかに間違っています。


そもそも、「ハブ&スポーク」という考え方は
貨物の効率的な輸送を実現させるために米国で編み出されたもの。

私自身、10年ほど前に米国の貨物輸送会社・UPSのハブ空港である
ケンタッキー州ルイビル空港を見たことがありますが、空港を
埋めつくすかのように並ぶUPSの航空機が、次々と離着陸していくさまに
圧倒されました。

米国全土から飛び立った航空機がひとつの空港に一斉に着陸し、
荷物を目的地別に仕分けして再び一斉に全米に散って行くことで
全体として最も効率的な輸送を実現するのが「ハブ&スポーク」。

もともとこのシステムは、フェデラル・エクスプレスの創業者が
ビジネススクール時代に発案したもの。しかし教授から「C」の評価しか
もらえなかったために、彼はこの論文を実証するために起業し、
米国全土の翌日配達という物流革命を起こしたのです。

事実、広大な国土を持つ米国では最高の輸送方法といえるでしょう。


ただし貨物に限っては。


なぜならば、貨物はけっして文句を言いませんが、
しかし人間はできれば直行便に乗って、早く目的地に着きたいと思うもの。

実際、アメリカでもかつては「ハブ&スポーク」で旅客路線が組み立てられていた
時期がありましたが、いまや小型機を駆使した格安航空会社の台頭もあって、
大都市間を中心とした直行便が主流に戻りつつあります。

そして世界の航空輸送は、ボーイング747に象徴される巨大航空機による
大量輸送の時代から、ボーイング737、次世代のボーイング787といった
中小型機が各地を網の目のように頻繁に結ぶ時代になってきています。

つまり「ハブ&スポーク」は現在、あくまで貨物にのみ成立するものであって、
旅客輸送に関してはまったくの時代おくれの思想となってしまっているのです。


そこで羽田空港のハブ化問題です。


バックボーンとして東京を中心とする5,000万人もの人口と巨大な経済力を持つ
羽田空港には、ただそれだけで旅客と貨物の莫大な需要があります。

ですからこれからの発展のためには単に近距離国際線を中心に徐々に
拡充していけばじゅうぶんであって、国内線の使用機材が効率化のために
今後、小型化していくことも考え合わせれば、第4滑走路(D滑走路)開設で
増える発着枠はすぐに埋まってしまいます。

羽田は、もともとパンク寸前だったのです。
それを、一本滑走路が増えたからといってわざわざ中国や韓国、東南アジア
などの旅客や貨物を“仕分け”するためにハブ空港にする余裕もなければ
必要性もないはずです。


日本に国際ハブ空港が必要とするならば、それはあくまで貨物が中心と
なるべきであり、発着能力に余裕がある中部国際空港か関西国際空港、
または那覇空港がふさわしいのです。

今回、羽田空港のハブ化を提起した前原国土交通大臣は、あまりにも
不勉強とのそしりを免れないでしょう。



この文章へのリンク
http://www.totteoki.jp/negoto/negoto2009au.htm#20091104


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気質。 2009年
10月20日(火)




建築家の友人が言っていました。


東北出身の職人さんに頼むと、
最初は「こんなのできないよ」と ぶちぶち文句を言いながらも
最後はきっちりやってくれる。


九州出身の職人さんの場合、
「あ~大丈夫大丈夫」と言いながら結局できなかったりする。


寒い地方って、きっちり努力しないと
農作物がうまくできなかったりしますが、
暖かい地方はてきとーでも稲は実ったりするので
性格がいい加減になったようです。


東南アジアになると、放っておいてもバナナが食べられるので、
さらに輪をかけていい加減ですよね。


気質というものは、人種ではなく風土が作り上げているようです。



この文章へのリンク
http://www.totteoki.jp/negoto/negoto2009au.htm#20091020


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まさかこんなところに。 2009年
9月26日(土)




最近、東京メトロで見かけるこのポスター。





駅の出入口の近くに位置する素敵な建物で、
女優・宮崎あおいさんがたたずむという構図です。


青山でしょうか、代官山でしょうか。
ベトナムのホイアンにありそうないい雰囲気の建物です。



ただこの建物、どっかで見たことがあるような…。



ずっと心に引っかかっていて、先日やっと気がつきました。



ここです。



なんと、高田馬場でした。


東西線高田馬場駅7番出口すぐ横。
早稲田通り沿いにある「コットンクラブ」という店。




ほら、おんなじ。



ポスターでは、電線などがCGで消されているのが
面白かったりします。




宮崎あおいさんが立っていたのはこのあたりでしょうか。
                        (近くにいた子どもに、モデルになってもらいました)



彼女の視線の先に広がっていた光景は…。




雑然とした早稲田通りの風景。




そしてラーメン屋の行列…。




とてもとても、このポスターからは想像できない光景です。





店内の階段には、さりげなく、でもちょっとだけ自慢げに
ポスターが貼ってありました。


まさかこんなところに、ですね。



この文章へのリンク
http://www.totteoki.jp/negoto/negoto2009au.htm#20090926


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自分の名前を書けばいい。 2009年
9月10日(木)




だれそれ?という結果になってしまいました。


若林正俊両院議員総会長。

自民党が首班指名選挙で投票すると決めた候補は、
あまりにも無名であまりにも“格”のない人物に
なってしまいました。

一国の首相を決める選挙です。

どうせ民主党の鳩山由紀夫代表が首相になるからと、
当たり障りのない適当な人物を選び、党として
票を投じるのはまさに国会と政党政治を侮辱するものです。


ならばいっそのことすべての議員がそれぞれ
自分の名前を書くようにすべきでした。

国会議員、とくに衆議院議員たる者、一国の首相に
なってやるという気概がなくてどうするというのでしょう。


みんなバラバラに投票することがまさに“解党”。

それから改めて新しいリーダーを選ぶことが“出直し”。

まさに解党的出直しを演出し、自民党の再出発を
印象づけるいい機会にできたはずなのに。


まっさらな状態から新しいリーダーを選び、有権者に
“このひとだったら自民党に投票してもよかった”と
ちょっぴり後悔させてこそあすの自民党があります。


それをみすみす逃してしまいました。



この文章へのリンク
http://www.totteoki.jp/negoto/negoto2009au.htm#20090910


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ねこまんまラーメン。 2009年
9月6日(日)



日経の「食べ物新日本奇行」がいま「汁かけご飯」を
テーマにしているのを見て、思い出したことがありました。


10年以上前でしょうか、福岡近辺の「金龍」というラーメン屋に
「ねこまんまラーメン」というメニューがありました。


一見、普通のトンコツ白濁スープのラーメンなのですが、
麺の下を探るとご飯がぎっしり敷きつめられているという
驚愕のメニュー。

“一杯で二度おいしい”といったキャッチコピーが
つけられていたのをうっすらと覚えています。


しかし、あまりの奇抜さに気持ち悪がられたのか
しばらくすると姿を消し、私も挑戦できないままになって
しまいました。

せめて看板の写真だけでも撮っておけば、みんなに見せて
反応を楽しめたのに、とずっと後悔していました。


ところがこの「ねこまんまラーメン」、最近になって
一部店舗で復活しているという噂が。

参考ブログ「日常生活の謎解き」
http://plaza.rakuten.co.jp/awajisan/diary/200902240000/



店の公式ホームページには載っていないようですが、
九州一円にチェーン展開しているようですので、
もし九州に行く予定があるかたや在住のかたが
いらっしゃいましたらぜひ挑戦してみてください。

ついでに写真を撮って送っていただけるとうれしいです。


この文章へのリンク
http://www.totteoki.jp/negoto/negoto2009au.htm#20090906


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おめでたい核軍縮。 2009年
8月29日(土)




どうしてここまで盲目的に信じ、礼賛できるのか。
首をかしげてしまいます。

それは、米国のオバマ大統領が4月にプラハで行った
核廃絶にむけた演説に対しての、日本の一部の人々の反応についてです。


演説で、オバマはこう語りました。

“核兵器を使用した唯一の核保有国として、行動すべき道義的責任がある”

“米国は、核兵器のない世界を目指し具体的な行動を取る”



たしかにこれらのフレーズは、これまでの米国大統領からは
けっして発せられることのないものでした。
とくに“加害者”としての道義的責任に言及した点で画期的です。

一部の人々がこの演説に、核廃絶への希望を抱いたとしても
無理もないことかもしれません。


しかし得意の演説で理想論をぶったとはいえ、
オバマはまだ具体的に何かをしたわけではありません。

具体的に何かをやり遂げたという点では、
実際に核軍縮をやってのけたレーガン元大統領のほうが
現時点ではよっぽど上です。

まだ何も評価に値しない段階、と言ってもいいでしょう。


なのに日本の一部の人々、とくに【左】に位置する人々の多くが
オバマのこの演説にコロッと参ってしまいました。
その光景は不思議であり、また滑稽でもありました。


広島市長も長崎市長も、原爆の日の平和宣言で言及するなど
諸手を挙げての歓迎ぶり。

原爆を落としたのがどの国だったのか忘れてしまったのではと
思わせるほどの熱烈な支持でした。


日本共産党の志位委員長にいたっては、
オバマ大統領に出した書簡に返事(代筆)が来たといって
テレビで見せびらかし、麻生首相に見せびらかすほどのはしゃぎよう。

それはまるで、憧れのアイドルに出した手紙に
(ファンクラブから)返事が来たといって狂喜乱舞する女子高生と
同じレベルの阿呆です。



しかしなぜ、【左】の人々の多くが今回のオバマ演説に
コロッと参ってしまったのでしょうか。


そこにはどうも、反戦平和運動に対する彼らの根本的な姿勢が
にじみ出ているような気がします。


というのも日本の【左】の人々の多くにとって、
反戦運動とは「平和、平和」と唱え続けること。

それは、念仏を唱えてさえいれば極楽浄土に行けるという
大乗仏教と同じであり、戦略も理論も具体的行動もありません。

だから、一部では “軍隊がなくなれば戦争がなくなる” というような
中学生並みの考えを、大人になっても真顔で言い続けられるのです。



今回のオバマの演説は、そんな彼らの他力本願の
潜在意識にぴったりフィットしたのでしょう。

「平和は勝ち取るものではなく、与えられるもの」という
彼らの「甘え」が、“オバマ礼賛”の過程で図らずも
さらけ出されてしまったような気がします。






…おいおい。


この文章へのリンク
http://www.totteoki.jp/negoto/negoto2009au.htm#20090829


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ほんとに民主は勝てるのか。 2009年
8月18日(火)



いよいよ公示された衆議院議員選挙。
マスメディアは“政権選択の選挙”とはやし立て、
民主党政権の誕生が確実であるかのような騒ぎです。


しかし、本当に民主党は勝てるのでしょうか。


たしかに、前哨戦と言われた東京都議会議員選挙では民主が大勝し、
惨敗した自民党は第一党の座から滑り落ちました。

ただ都議は、一般の都民にとっては普段の生活で会うこともなく、
メディアへの露出を見かけることもない、議員としては中途半端な存在。
つまり、投票所に行っても選ぶ尺度が政党名しかないのです。


それに対し、衆議院議員の場合はメディアへの露出を通じての
候補者個人の知名度があります。

たとえば、東京一区の与謝野馨と海江田万里。
有権者は、政治家としてどちらの実績をよく知っているでしょうか。


また、各メディアの世論調査の政党支持率を見ても、
自民と民主の支持率の差はわずかに数ポイント(パーセント)しかありません。

“一票でも多く取ったほうが総取り”の小選挙区が300議席を
占めるとはいえ、このポイント差で地滑り的勝利が起こるとは
どうしても考えにくいのです。
しかも自民の連立相手に手堅い組織選挙をする公明党がいることを
考えると、そうやすやすと大敗するとは思えないのです。


そもそも、日本人の投票行動の基準は半世紀以上にわたって
「自民に入れるか入れないか」でした。
けっして「自民党か○○党か」という選択ではありませんでした。


たとえば、ロッキード事件後の第34回総選挙(1976)での自民党過半数割れ。
政治改革をめぐって争われた第40回総選挙(1993)の結果の自民党下野。

これらの投票行動は、いわば自民党に対する「お仕置き」でした。
とくに空前の新党ブームとなり、のちの細川連立政権樹立につながった
第40回総選挙は“新党ならばどこでもいい”と言わんばかりの票の分散ぶり。

これは裏返せば、有権者が積極的にどこかひとつの政党に
政権を取らせたかったわけではない、ということです。


一方で、第二次中曽根内閣による衆参同日の第38回総選挙(1986)と、
前回の“郵政解散”の第45回総選挙(2005)はともに自民党の圧勝。

これも言ってみれば自民党に対する「好きか嫌いか」の人気投票でした。

つまり、戦後半世紀にわたる日本の選挙は常に
「自民に入れるかどうか」が最大の問題であり、
勝とうが負けようが、選挙の中心は自民党だったのです。


今回の選挙も、各種統計によって景気回復が裏付けられ、
株式相場などが回復していくようであれば、それらを追い風に
どれだけ自民党が盛り返せるかが焦点となっていくでしょう。

一方で、これまで“風”頼みの選挙しかしたことのない民主党は
政権交代確実であるかのような報道のなかで、必ず緩みや甘さが
出てくることでしょう。


結果として、民主党は比較第一党になったとしても過半数は難しく、
単独はおろか、社民・国民新・新党大地などと組んだとしても、
自民と公明の合計を上回れない可能性すらあるような気がします。
                       (もちろんこれは、私個人の勝手な予想です。)


しかしそれは、国会がまったく機能しなくなる
最悪のシナリオであることも、また事実なのですが…。




この文章へのリンク
http://www.totteoki.jp/negoto/negoto2009au.htm#20090818


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